ビジネスにおいて必ず経験するのが会社の文書作成。
重要な書類ですが、慣れていないと形式やマナーがわからず文書作成に時間を要します。
しかし、ビジネス文書を迅速に的確に作成できれば、その後の業務がスムーズに進みます。
また、社外に出す文書に関しては、文書作成のビジネスマナーを押さえるのも重要です。
今回はビジネスにおける文書作成のマナーについてまとめました。
ビジネス文書のマナーやポイントを理解し、素早く文書作成を行えるようにしましょう。
「ビジネス文書」とは、ビジネスにおいて情報を伝達したり意志を確認したりするために作成される文書を指します。
誤解を避けられる証拠として活用できるだけでなく、多くの相手に対し一斉に内容を伝達し円滑な業務を遂行するのが目的です。
ビジネス文書は以下の3種類があります。
すべてビジネス上に必要な書類ですが、文書の作成目的がそれぞれ異なります。
スムーズな業務遂行や取引先との良好な関係構築につなげるため、目的を理解してから文書の作成をしましょう。
社内文書は、社内における連絡・報告などの情報を確実に伝達する文書を指します。
社内文書の例としては、報告書、議事録、計画書や申請書などです。
必要な情報を簡潔かつ迅速に伝えられるため、社内での円滑なコミュニケーションを図る効果もあります。
社外文書は、取引先やお客様など社外との取引を円滑に行うための文書を指します。
社外文書の例としては、請求書、依頼書、案内状や督促状などです。
社外に出す文書になるため、尊敬語や謙譲語により気を付ける必要があります。
この文書が相手からの直接的な評価につながる場合も。
失礼がないよう、丁寧かつ正確にこちらの意向を伝えましょう。
社交文書は、仕事とは直接関係のない内容で、社外にむけてお祝いやお悔やみの気持ちを伝えるための文書です。
例としてあいさつ状やお礼状、見舞状、招待状などが挙げられます。
社外文書と同様、社外に触れる文書となるため、敬語に気を付けて作成しましょう。
ビジネス文書には基本の構成があります。
それぞれ構成が異なりますので、文書別に構成を解説します。
中には縦書きにする必要がある文書もあり、ほかの文書と記載方法が異なる場合があります。
記載内容だけではなく、記載方法も理解しビジネスマナーを守った文書を作成しましょう。
社内文書は、会社側から社員に向けて通知するだけではなく、社員側から会社に向けて提出する場合もあります。
迅速な業務遂行のため簡潔さを目指しましょう。
以下で順序だてて説明します。
1.文書の発信日付
文書を発信する日の日付を右詰めで書きます。
2.受信対象者名
文書の受取人の会社名、部署名、職名、氏名の順に書きます。複数の社員に向けて発信する場合は「社員各位」と記載しましょう。
3.文書の発信者名
発信者を所属名、氏名の順に書きます。会社名や所在地、電話番号やメールアドレスも追加すると親切です。
4.本文・記書き
内容を簡潔にまとめます。社内文書は「です・ます体」で書きます。
5.以上
内容に続きがないことを示すために「以上」と明記します。
6.担当者名・連絡先
発信者とは別に担当者がいる場合は、部署名と担当者名、連絡先を記載します。
社外文書は、効率よく社外の相手に伝える必要があるため、書式がある程度決められています。
1.文書の発信日付
文書を発信する日の日付を右詰めで書きます。
2.受信対象者名
「株式会社」などは省略せず、正式名称で左寄せに記載します。組織にあてる場合には「御中」を付け、個人名の場合は役職名と名前を記載するのが一般的です。複数に発信する場合は「○○各位」と記載しましょう。
3.文書の発信者名
正式名称で右寄せに記載します。会社名や部署名、氏名はもちろんですが、不明点があった場合に相手がすぐに連絡できるよう所在地や電話番号、メールアドレス等連絡先も記載すると親切です。
4.本文
中央寄せでタイトルを書きます。何についての文書なのかわかりやすいタイトルを記載するとよいです。
内容として、まずは「拝啓」などの頭語、時候のあいさつを書きます。
その後「さて」と用件に入り、簡潔に内容を記載しましょう。
最後に結びの挨拶文と、頭語に対応した結語(「拝啓」であれば「敬具」など)を記入します。
5.記書き
箇条書きで要点を伝えましょう。相手に漏れがなく伝わりやすいです。
記書きの締めとして最後に必ず「以上」を入れましょう。
社交文書は縦書きにするのが基本です。縦書きは「二丁目」のように漢数字を使いますので注意して下さい。
原稿用紙やレポート用紙など業務で使用する用紙は、失礼にあたりますので使用しないようにしましょう。
1.受信対象者名
組織へ送る場合は組織名のあとに「御中」をつけ、個人へ送る場合は役職名と名前を記載しましょう。
2.時候の挨拶
相手への敬意を払うために「拝啓」などの頭語と「初春の候」などの時候の挨拶を書きます。
しかし、見舞状やお悔やみ状などのように相手が喜ぶ状態にない場合は、頭語と時候の挨拶を書く必要はありませんので注意してください。
3.内容
相手へ伝える内容を記載します。
不幸なことが続いてはいけませんので、お悔やみ状の文書には、繰り返しの意味を持つ重ね言葉(重ね重ね、たびたび、いよいよなど)は使用しないように注意してください。
本文の最後には頭語にあった結語を記載しましょう(拝啓→敬具 謹啓→謹白など)。
4.日付
最後に日付を記載してください。発送日が基本ですが、○月吉日とする場合もあります。発送する前に上司に確認すると良いでしょう。
ビジネス文書作成には5つのポイントがあります。
ビジネス文書において、内容を相手にわかりやすく的確に伝える必要があります。
ビジネス文書作成のポイントを理解し、相手に伝わりやすいビジネス文書を作成しましょう。
ビジネス文書を書くときは、最初に結論を述べましょう。
結論から書くと、読み手はすぐに文章の内容を認識できます。
また、社内文書を読む際に、上司は結論から判断をしたり、次の対策を考えたりすることが多いです。
結論から書いていると判断や指示も迅速に行われるので、その後の業務をスムーズに行うことができます。
不要な情報が含まれていると、わかりにくい文章になります。
必要な情報を選択して、簡潔な文章を目指しましょう。
一文を短くすることで相手の負担軽減を図れます。
相手は仕事をスムーズに進めるために、短い時間で内容の理解を望んでいます。
長文を二文に分けるなどの工夫をするとよいでしょう。
場合によっては文章で書くよりも箇条書きで書いたほうが見やすくなる場合があります。
同列の内容を記載したいときは無理に文章にせず、箇条書きにしましょう。
ビジネス文書を書く際には5W1Hをしっかり記載してください。
ビジネス文書では情報を誤解なく相手に伝えるため、曖昧な表現を避けて記載するように心がけます。
「仕事が終わったあたりに」「この場所あたりで」では、相手に誤解を与えてしまう場合があります。
毎回すべての要素が必要というわけではないので、書類の内容に合わせて必要な情報を選び記載してください。
ビジネス文書において、自分の考えを主張するだけでは、説得力がありません。
「○○をすると収益が上がるでしょう」と伝えるよりも「○○をすると前回時より○○倍の収益見込みがあります。なぜなら~」と伝えたほうが相手も納得します。
例を挙げて根拠を示したり、 数字を明記したりするとビジネス書として説得力が増すでしょう。
ビジネス文書は円滑な業務遂行のために重要な役割を果たします。
ビジネスマナーをおさえたうえで、的確な文書を作成しましょう。
また、わかりにくい言い回しや誤字・脱字があると正しく相手に内容が伝わらない可能性があります。
正しい情報を多くの人に一斉に伝達できるよう、文書を確認したうえで素早く丁寧に作成しましょう。
今回の記事を参考に、ぜひビジネスマナーを守った文書を作成してください。