メールやLINEなどでの新年のあいさつが主流な昨今、ビジネス業界では年賀状というアプローチが見直されつつあります。
1年の最初のあいさつに、形として残る年賀状を活用できれば、新しいビジネスチャンスにつながる可能性があるためです。
今回はビジネス向けの年賀状の書き方についてまとめました。
ビジネス関係で年賀状を書いた経験がない人や、ビジネス年賀状を出してみたいと考えている人は、今回の記事を参考に、ぜひビジネス年賀状を書いてみてください。
知ってる人も多いかもしれませんが、まずは基本的な書き方をおさらいしましょう。
新年の最初のあいさつなので、基本を大切にして書いてこそ、相手に気持ちが伝わります。
年賀状は、日本人が慣れ親しんでいる縦書きが一般的です。
ビジネス年賀状も横書きでカジュアルにするよりも、縦書きの方がしっかりとした印象になり、好感を持ってもらえます。
縦書きの場合は、数字は漢数字を用いるのが正式な書き方です。
年賀状の宛名面に書く項目について解説します。
それぞれポイントがあるので、宛名面に関して細かく意識したことがないという人は、ぜひ読んでみてください。
年賀状で大切なのは省略をしない点です。
郵便番号があるからといって、都道府県を省略したり、面倒という理由でマンション名を省略したりすると、相手への敬意が薄れた印象になります。
「あいさつ初め」なので、しっかり敬意を払いましょう。
年賀状の裏面に書き方について、簡単に説明します。
一般的に年賀状は以下のような構成で、手紙の基本の書き方と同じです。
ビジネス年賀状を書く際も、基本にならえばスムーズに書けます。
1.賀詞 (前文) | 「謹賀新年」「迎春」「賀正」「頌春」など |
2.あいさつ文(本文・末文) | ・昨年中のお礼や新年の目標など伝えたい事柄を述べる・相手の健康や幸福を祈る言葉で結ぶ |
3.日付 (後付け) | 「令和◯年 元旦」「20◯◯年 1月」など |
4.差出人住所 | 宛名面に書いているのであれば不要 |
昨今は印刷された年賀状を使うのが一般的です。
あいさつ文がデザインに組み込まれているのは問題ないですが、印刷された文面だけでは、味気ない年賀状になってしまいます。
気持ちを込めた年賀状にするなら、一言だけでも手書きのメッセージを入れるようにしましょう。
ビジネス年賀状で重要な宛名面の書き方について述べていきます。
ポイントを解説していくので、マナーとしておさえておきましょう。
ビジネス年賀状の宛名面に加わる項目は以下の通りです。
会社名 | 住所の次の行に1行におさまるように省略をせずに書く |
部署名 | 会社名から部署名まで1行が望ましいができなければ部署名から改行する |
役職名 | 相手の名前の上に書く |
住所の書き方と同様に、会社名も省略せずに書きます。
「(株)」のような略語で書くのはマナー違反なので、株式会社としっかり書いてください。
個人宛てであれば名前の下に敬称、企業や部署に宛てて書く場合は、社名の下、もしくは部署の下に「御中」と書きます。
社名と部署の両方に「御中」と書いたり、「御中」と「様」を併用したりはしません。
役職名の書き方について具体的に解説します。
役職名の文字数によって書き方が違うので、以下を参考にしてください。
「◯◯地区エリアマネージャー」のような5文字以上の役職は、スペースがあれば部署名の下、それが難しければ名前の前の行に書きます。
ただし「代表取締役社長」に関しては、「代表取締役」を1行目、2行目に1行目の上下とそろえて「社長」と書くのが一般的です。
ビジネス年賀状を送るのであれば、マナーを心得ておきましょう。
大切なのは、年賀状を通して「素敵なコミュニケーションだな」と感じてもらい、「この人/企業と仕事したいな」と思ってもらうことです。
何かが至らず、残念な気持ちにさせてしまっては、年賀状を出す意味がありません。
詳しく解説していくので、ビジネス年賀状を書いたり送ったりした経験のない人は参考にしてください。
ビジネス年賀状では、3文字以下の賀詞を使うのはさけます。
「賀正」や「迎春」などの賀詞は、「つつしんで」や「うやうやしく」といった意味が含まれておらず、敬意に欠けるためです。
ビジネス相手や目上の人への年賀状であれば、以下のような賀詞を使いましょう。
・謹賀新年・謹賀新春・恭賀新年・敬頌新禧 |
「謹んで新春のご祝詞を申し上げます」や「謹んで新年のお慶びを申し上げます」といった丁寧なものであれば、口語調の賀詞でも問題ありません。
手書きのメッセージを書く際は、句読点は使わないようにしてください。
年賀状での句読点は、「おめでたいことに区切りをつける」という意味合いになり、縁起が良くありません。
ただ昨今は、読みやすさの観点から句読点の使用を気にしない風潮にあります。
とはいえ、ビジネス相手に書くなら、句読点がない方が評価されるので、細やかなマナーとしておさえておきましょう。
年賀状は書き間違えても、原則として訂正しません。
修正ペンや修正テープの使用や、二重線を引いて訂正するのはマナー違反です。
親しい友人であれば許容してくれるかもしれませんが、訂正して送られた年賀状に「気持ちがこもっている」と感じてくれる人はいません。
書き間違えた場合は、新しい年賀状に書き直します。
書き損じた年賀はがきは、郵便局に持ち込んで手数料を払えば、切手やはがきと交換可能です。
年賀状は、元旦に届くように準備しましょう。
内容の良いビジネス年賀状が書けたとしても、遅くなっては印象が悪くなります。
企業宛てに出す場合は、遅くとも仕事始めの日までには届くようにしてください。
12月25日までに出せば、ほぼ確実に元旦に届きます。
例年11月1日から販売、12月15日から受付を開始しているので、余裕を持って準備しましょう。
年賀状での基本的なタブーについて紹介します。
ビジネス年賀状でやってしまうと、ビジネスパーソンとしての評価に関わるので、以下のタブーには注意が必要です。
不吉な言葉を連想させる忌み言葉や、葬儀を連想させる「薄墨」の使用がタブーと聞いたことのある人は多いかもしれません。
以下のような、年賀状でよく見られる言葉の重複は、読み手に幼稚な印象を与えてしまうので、ビジネス年賀状でやってしまうと知性を疑われてしまいます。
新年明けましておめでとうございます | 「明けまして」は「新年が明けて」という意味 |
一月元旦 | 元旦は「一月一日の朝」を意味する |
賀詞を書いているのに「明けましておめでとうございます」と書くのも、賀詞の重複なので気をつけましょう。
ビジネス年賀状を上手に活用できれば、自身の今後のビジネスの発展も期待できます。
年賀状は1年の最初の贈り物です。
相手の心に残る年賀状を届けられれば、取引先や顧客と良好な関係の構築や継続につながり、今後のチャンスも広がるでしょう。
心を込めた年賀状を送って、新年のスタートに弾みをつけてください。
代筆屋「手書き屋」では、法人様向けの年賀状の年間契約定期代筆も承っています。
手書きの年賀状でビジネスチャンスを広げたいと考えられている企業様は、ぜひご相談ください。