ビジネスシーンにおいて「贈答品」は、取引先の企業に日頃の感謝やお祝い事の喜びを形にして伝えられる手段のひとつです。
気持ちを形で伝えることで一層相手との関係性も良好となるでしょう。
今回は、ビジネスシーンでの贈答品についてのマナーや種類についてまとめました。
贈答品を贈る際には、マナーをしっかり押さえて相手に喜んでもらえる品物を選びましょう。
ビジネスシーンにおいて贈答品には、挨拶や慶弔、お土産などさまざまな種類があります。
以下まとめましたので参考にしてください。
季節の挨拶の品 | ビジネスシーン以外でもよく耳にする「お中元」や「お歳暮」などを指します。年始の「お年賀」も季節の挨拶の品の1つです。 |
お祝いの品 | 「開業祝い」「栄転祝い」、そして「昇進祝い」などお祝いごとにも贈答品を贈ります。結婚祝いや出産祝いなどもお祝いの品として扱われます。 |
手土産 | 取引先への「お詫びの品」や出張の「お土産」なども贈答品の1つです。 |
記念の品 | 贈答品は記念日にも送られます。「社長の誕生日プレゼント」や「バレンタインの贈り物」なども記念品の1つです。 |
その他 | 入院中の「お見舞いの品」や「快気祝い」「弔事の香典」も贈答品として扱われます。 |
また、上記の贈答品を受け取った場合の「お返し」も贈答品として扱われます。
ビジネスシーンにおいて、贈答品を贈る際にマナーが3つあります。
贈答品は相手に喜んでもらったり、相手に弔いの気持ちを伝えたりするために贈ります。
失礼がないように考慮するべきマナーをしっかり守って、自分の気持ちを伝えましょう。
大企業は企業の規則によって贈答品の受け取りを禁止している企業もあります。
せっかく贈答品を準備しても相手に断られる場合があるので、受取が可能かどうかをあらかじめ確認する必要があるでしょう。
また、公務員は法律で利害関係者からの金銭や物品の贈与を受けることが禁止されているので注意してください。
贈答品を取引先に贈る場合は、事前に送り状を送るのがマナーです。
贈答品が到着する3日前には送り状が届くようにしましょう。
送り状は、手書きが望ましいです。
「頭語」「時候の挨拶」「取引への感謝の気持ち」「贈答品について」「取引先の成功を願う言葉」「結語」という構成で書きましょう。
しかし、取引先との関係性により、送り状が負担になる可能性がある場合は、メールや電話で贈答品について伝えましょう。
いずれにしても贈答品を一方的に送りつけるような印象を減らす工夫が必要です。
送り状を送付しない場合は、贈答品と一緒に一言メッセージカードを添えると好印象を与えます。
のしにはいくつか種類があり、シーンによって使い分ける必要があります。
「結び切り」タイプは「同じことは二度とないように」という意味をこめて「結婚祝い」や「快気祝い」など一度のみのシーンで用いましょう。
「蝶結び」タイプは「何度でも簡単に結びなおせる」という意味から、出産や長寿のお祝いなど「何度繰り返してもよいお祝い」シーンで使われます。
ビジネスシーンにおける贈答品には選び方があります。
以下の3シーンではどのように選べばよいのかをまとめました。
贈答品を贈る場合には、形に残るものだけではなく食品を贈る場合も多いです。
また、トレンドを押さえた贈答品を送り、ほかの企業との差を付けられるとよいでしょう。
祝いごとの定番ギフトは、胡蝶蘭などの「場を華やかにしてくれる花」です。
特に「胡蝶蘭」は大きく白い花のため、清楚でかつ大胆な印象を与えます。
見た目の上品さが幅広い世代の方から人気があり、格調の高さと長持ちする特徴からお祝いの贈り物として選ばれます。
また、「紅白ワイン」は、おめでたい席で喜ばれるお祝いです。
料理に合わせて、赤ワインか白ワインかを楽しんでもらえるのが魅力の一つ。
昔はお祝いのお酒といえば「日本酒」が定番でしたが、最近はこのような「紅白ワイン」も人気です。
お中元やお歳暮、手土産には食品が選ばれる場合が多いです。
季節感や賞味期限を考慮して選ぶとよいでしょう。
たとえば、お中元では、涼しげなゼリーや素麺、お歳暮であれば、コーヒーや洋菓子がよいでしょう。
季節に合いつつも、長い賞味期限の食品を選ぶのがポイントです。
地域の特産品や、トレンドをおさえたグルメも相手に喜ばれます。
お贈りした際に、「最近人気の品物だ!」と話題になったり、自社を印象づけられたりとメリットが多いです。
人気であったりなかなか手に入れにくい品物は、特に喜ばれます。
しかし、人気の品物を選ぶあまり、あまりにも高額だと相手が困惑してしまう可能性があるので、金額も確認しておきましょう。
贈答品の中には、シーンによって縁起が悪いとされる贈答品もあります。
知らずにいると、せっかく準備した贈答品が裏目に出る場合もあるので注意してください。
縁起が悪いとされている贈答品を以下にまとめました。
お箸 | 本来お箸は、「人と人とを結びつける」という意味合いを持った縁起の良い贈り物です。特に結婚祝いの際には「夫婦の絆を深める」という素敵な意味合いがあります。しかし、敬老の日など長寿のお祝いには適しません。「三途の川への橋渡し」という意味合いで、失礼になる可能性があるためです。箸は贈答するシーンに注意が必要です。 |
日本茶・緑茶 | 日本茶・緑茶は、お悔やみごとで贈られることが多く、お祝いの贈り物としては避けましょう。お葬式など急な出来事で品物を用意できず「家に常にあるお茶を手土産として渡す」という名残りからきたとされています。 |
刃物類 | 刃物類は、「未来を切り拓く」「魔を切る」意味をもつ一方で「縁が切れる」という意味合いもあり、縁起が悪いという解釈が一般的です。お祝い事には適さない贈答品といえます。しかし、相手が包丁の贈り物を求めている場合は問題ありません。相手に確認してから渡すようにしましょう。 |
ハンカチ | ハンカチは「別れのしるし」という印象が強いため「悲しさ」を連想させます。また、ハンカチは漢字で「手巾」と書き「てぎれ=手切れ」と読めます。「手切れ=縁が切れる」と連想させてしまうため、縁起が良くないとされているので注意が必要です。 |
靴下 | 靴下には「見下す」「下に敷く」「踏みつける」などの意味合いがあります。特に昇進祝いや目上の方のお祝いごとには、タブーとされているので注意が必要です。 |
鉢植えの植物 | 鉢植えの植物は根を張ります。そのため、「根付く」=「寝付く」という意味合いがあり、お見舞いや退院の贈り物としてはNG。しかし、新居祝いや開業・開店祝いなどの際には「根付く」=「新たな土地に根付く」という意味から、縁起の良い贈り物とされます。鉢植えの植物はシーンに合わせて贈りましょう。 |
割れ物(グラス) | 割れ物は「関係が割れる」という意味合いから縁起が悪い贈り物とされています。しかし最近は、結婚祝いにペアマグカップが贈られるケースも多く、気にしすぎなくてもよいでしょう。心配な方は事前に確認をとったり伝えておきましょう。 |
一般的に縁起が悪いとされる贈答品も、シーンによっては喜ばれる場合もあるので確認して贈答品を選びましょう。
贈答品は、相手に日頃の感謝の気持ちや喜び、弔いの気持ちを伝えるために重要な役割を果たします。
相手に失礼がないようマナーを守って贈りましょう。
また、品物と一緒にメッセージを添えて送るとより一層相手に気持ちが伝わります。
「自分のためにひと手間かけてくれた」「言葉でもしっかりと伝えてくれた」と思われ、好印象を与えられるでしょう。
代筆手書き屋では、文章の作成から代筆まで行っておりますので、贈答品を贈る際には、ぜひお役立てください。